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株式会社埼玉種畜牧場(通称:サイボクハム)

「ディズニーランド」、それは誰もが童心に返り時間を忘れて楽しむことができる異空間。

今回我々が訪問した企業は株式会社埼玉種畜牧場さん(以下、サイボクハム)。
食品加工メーカーを本業とし、豚肉や手作りのハム・ソーセージなどを直売する他、レストラン、温泉施設やパークゴルフ場を構えるレジャーランドの経営まで手掛けている。
このレジャーランドは別名・『農業のディズニーランド』と呼ばれ、埼玉を始め県外の多くの子供から根強い人気を博している。

企業訪問は2010年12月4日、我々は東京からサイボクハムのある埼玉・日高市までバスで出掛けた。約2時間かけて辿り着いた先はゴルフ場か?と思うような緑豊かで自然に囲まれた場所、敷地内も駐車場は計5か所、900台収納と東京では考えられない広大な面積を有している。
バスから降り最初に目が向いた先は駐車場に止まっている車のナンバープレート、埼玉は基より県外のプレートが多いことに気付く。地域に愛され、シンボルとなり、それゆえ地域外から多くの人が寄って来て地域がさらに潤う、私がスポーツで実現したい事を(方法は違えど)見せてもらえた気がした。

駐車場から歩いて様々な施設を横切り、社のオフィスで本日の最初のメインイベント、
代表取締役・笹崎静雄様に企業として大事にしている『価値観』を中心に話を伺った。

従軍獣医であった父が、日本は食料で負けたと考え、いずれ間違いなく食料問題が訪れる前に食だけは自立しなければと思い立ち、日高で養豚経営を始めたそうです。
今やドイツ・オランダといった名立たる伝統国を退けてコンクールで金賞を数千個も受賞する世界に誇れる企業です。

では、何故そのような企業になったのか。
講演の中でいくつかキーワードが出てきたので答えは人それぞれで変わるでしょうが、私は単に食料を作って売っているだけでなく、それを食べる人(顧客)の事まで考えて実行に移している事、だと思った。
「良い豚肉を追求すると、それは健康な豚に行き着く」をテーマに何度も何度も健康な豚を育成し研究する、健康な豚は何かを顕微鏡を見ながら分析する姿勢からもそう伺える。
骨を見ると成長過程やその後の姿がわかる、と自信満々におっしゃっていた姿が印象的で、誰にも負けない努力・こだわりをしてきた苦労を垣間見ることができる瞬間だった。

講演で心が満たされた後は第2のイベント(本当はこっちが目的?)、昼食。
最高級の豚肉を使用したとんかつを頂く。

普段食べている肉とは格段に違うのは一口口に運んだだけで感じることができた。
歯で簡単に切れる肉質、口の中でとろける油分の多さ、レポートを書いている時でも思わず笑顔になってしまうくらい圧倒的にうまい!。
唯一の難点は「値段」で、とんかつ定食で1,500円くらい。
「安いモノには理由がある、高いモノにも理由がある」と講演でおっしゃっていたように、肉のおいしさ、食の安全性に拘る経営者の姿勢が伺える。

食後は自由行動、
豚と戯れ、温泉に入り、スーパーで豚肉を買い、と時間があっという間に過ぎる。

一日中居ても飽きない楽しみを提供してくれる食のテーマパーク、サイボクハム、
作った方々の人への拘り、想いが施設全体に伝わり、ディズニーランドのようなおもてなしの精神を生みだしているのだろう。
是非もう一度、今度は家族を連れて訪れてみたい。


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