企業訪問レポート

株式会社富士メガネ

2011年7月24日、札幌市内にある富士メガネ様にお邪魔しました。
富士メガネ様は、日本国内からだけではなく、海外からもたくさんの賞を受賞されているということもあり、お話を伺うのをとても楽しみにしていました。

伺ったのは、狸小路商店街にある本店。富士メガネ様は、全国に68店舗、と言ってもかなりのお店が札幌に集中しています。東京では大手町に一店舗。最初の店長は金井会長だったそうで、オフィス街という場所柄、集客には苦労をしたというお話しでした。
今では出店しているビルだけでなく、周りのビルからも土日に家族連れで来られるほどになりました。その人気の秘密は後述しているように、技術力の高さにあるのではないかと思います。

金井会長のお話しは、お父様が苦労の末に札幌でメガネ店を起業されたところから始まりました。富士メガネ様が他のメガネ店と違うところは、単に視力を測ってレンズを調整するということではなく、視力を回復する視力ケアを重視されているところです。これは技術者だったお父様の時代から、今日までずっと受け継いで来られました。
その証明として、金井会長やご子息はアメリカに留学をして、「オプトメトリスト」という資格を取得されています。これは眼科医ではないですが、『ドクター』と呼ばれる視力ケアの専門家に与えられる資格です。この留学時代に友人に誘われてボランティア活動をしたことが、後の金井会長の社会貢献につながっていきます。

富士メガネ様が設立45周年になったとき、金井会長は「期が熟した」と感じ、視力回復のお手伝いをするために、難民支援にでかけるとご家族に告げられました。そのご家族の応援もあり、支援は毎年続けて今年で28回目になったとか。その貢献を称えて、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が富士メガネ様に、日本で初めて「ナンセン難民賞」を授与されました。

難民支援と言えば、メディアの影響かもしれませんが、食糧難や治安の悪さ、失業率の高さなどばかりがクローズアップされ、恥ずかしながら、難民の方が視力に苦労をされていることは知りませんでした。なので、一人一人の視力に合ったメガネをプレゼントされ、難民の方が自分の手を見て、「指紋が見える!」と喜ばれたと聞きますと、その活動の重要さをひしひしと感じます。

難民支援の他にも、中国残留日本人孤児の方にメガネを寄附されたり、盲学校・老人介護施設を定期的に訪問し、メガネの調整をされたり、東日本大震災の被災地にもでかけられています。中国残留日本人孤児の方からは、富士メガネ様からのメガネが、「日本でもらった一番うれしい贈りもの」だと言われたそうです。

他にもエピソードとして、お父様が経営されている時代に、あの経営の神様、松下幸之助氏がメガネを作りに訪れられたとか。富士メガネ様の記念館には、当時の写真と、松下氏がお土産に持ってこられた赤い小さなポータブルラジオが大切に飾られています。金井会長曰く、「まだちゃんと動くんですよ」。

富士メガネ様は経営の要点として、視力ケア(見る力を最大限に引き出す)に重点を置き、オプトメトリーサービスの強化によって、「社会になくてはならない存在を目指す」とされています。単に「見えづらい」とか「よく見えない」という訴えから、じっくりと問診をし、原因が糖尿病にあるなど、眼科医の治療が必要なケースも見つけ出すまでになり、メガネそのものを販売するというよりも、専門性の高いサービスを提供することで、他店との差別化を図っておられます。
今年は東日本大震災があり、その支援に奔走されたにもかかわらず、アゼルバイジャンでの難民支援のミッションも無事に果たされたことに敬意を表するとともに、私も、次にメガネを作る時には、絶対に富士メガネ様に作って頂こうと今から決めています。