スクール概要

社会起業大学 校長

山口 典浩(やまぐち のりひろ)

社会起業大学・九州校 校長
山口建設工業株式会社 代表取締役会長

長年、建設会社の経営を実践し、田坂広志氏の田坂塾、ダイヤモンド社のドラッカー塾や松岡正剛氏の主催するハイパーコーポレートユニバシティー、北九州市立大学大学院マネジメント研究科 科目履修など幅広い分野で日々自己研磨に努めている。田坂広志氏、金子郁容氏、松岡正剛氏、安田登氏等に、賛同と影響受ける。さらに、先代より「企業は社会の公器なり」の教えに従い、自身60歳を境に社会への還元と貢献を考え、新規事業として社会起業大学・九州校を立ち上げる。

 

メッセージ

 「ソーシャルビジネスって何?」とよく聞かれます。本来ビジネスでソーシャル(社会的)でないものは無いはずなのですが、いつの頃からか社会的な問題の解決は行政やボランティアの視点で語られるようになりました。しかし財政難やボランティアの持続可能性などの問題から、社会的な問題の解決をビジネスの手法で解決しようという動きが出てきました。ソーシャルビジネスとはこのように社会的な問題をビジネスの手法で解決しようと言うビジネスをソーシャルビジネスと言います。
何故かソーシャルビジネスは一般のビジネスに比べると社会的評価が低い傾向にありますが。日本では江戸時代、「カセギ半分、ツトメ半分」で一人前の大人と見なされていました。「カセギ」と「ツトメ」は別物だと捉えられていたのです。務めとは、近隣に火事があったときや隣の家に子供が生まれたとき、公共のために、生活の糧を得る事とは別に果たす任務の事で、社会的な問題解決に関わるということです。しかしながら、今の社会では「お勤めはどちらですか」と聞かれたら「○○会社です」と給料をもらっている会社を答えます。いつの間にか、カセギとツトメが同じになってしまったのです。
そこで、ソーシャルビジネスを観てみると「カセギ」ながら「ツトメ」も果たせている、「カセギ」と「ツトメ」が両立しているビジネスであることに気がつきます。ソーシャルビジネスを行うと言う事は社会の一員として一人前だと言う事になります。
社会的な問題を自ら解決して行こうという強い「想い」、問題解決の手法として自ら行動を起こそうという深い「覚悟」、ソーシャルビジネスによってより良い社会を築いて行こうという高い「志」の社会起業家を応援しサポートして行くのがわれわれの使命だと思っています。
名誉学長の田坂広志さんが「野心」と「志」は違うとよく言われます。
「野心とは、己一代で何かを成し遂げようとする願望。志とは、己一代では成し遂げえぬことを次の世代に託す祈り。」
一人一人の社会起業家の起こす社会の変化は僅かなものかもしれませんが、次世代へと託す祈りによって起こる変化はより良い社会への大きな変化に繋がるのです。
見果てぬ遥かなる頂きを目指して確かな歩みを続ける志高き社会起業家を一人でも多く輩出していくことが成果だと考え、われわれも見果てぬ遥かなる頂きを目指してまいります。

 

2013年10月19日
社会起業大学 九州校
校長   山口 典浩

社会起業大学 懇親会の様子