スクール概要

企業における真の価値


経営理念、企業文化、サービス、従業員など、時代は利益だけではない新しい企業の価値に注目をし始めています。現代の企業経営は、資金力・販売力・規模・システムが問題なのではなくて、経営者の人生観や使命感にあると痛感しています。すべては経営者の姿勢・人格にかかっているといっても過言ではありません。

経営学では、資本集約型・技術集約型・知識集約型が論じられますが、もうひとつ上のレベルとして「人財集約型」を提唱しています。ときに「経営は人・物・金」といいますが、一に人財、二に人財・・・、あとは人間のための道具にしか過ぎないと思います。いつも私が年寄りならば、私が学生ならば、平社員ならば、手足がなかったならばと考えています。私の教育や研究はすべてそういったところに基づいています。誰だって加齢する。彼らは私たちの行く末です。彼らがいたからこそ、私たちがいる。そのことを忘れまいと思います。

経営戦略の実行は、社員とその家族にとって、取引先とその家族にとって、お客さんにとって、地域にとって、「正しいか、正しくないか」「自然か、不自然か」で判断すれば良いのです。現状、一般的な経営論では、利益が上がるかどうか、上場する為に有利かどうか、勝つか負けるかが判断基準になっています。企業経営とは関わる全ての人の永遠の幸せを追求する活動であり、会社とはその場所にしかすぎません。正しいことは幸せであることなのです。みんな、幸せになりたくて生きているのですから。自然の摂理に基づいているかどうか。決して、「好況だから、不況だから」で人を増やしたり減らしたりするものではありません。会社は組織に関連する人すべての幸せのために存在するのです。その結果現象として、業績が上がるのです。

企業理念、経営理念とは企業の存在目的、存在使命、何を通じて世のため人のために貢献するのかという社会に対する宣言文です。何のためにこの会社が生を受けたのかが事業の根幹をなす部分になるのですが、現実にない会社は多いです。あるといっても会社ありきの経営理念、成長ありきの経営理念です。つまり、儲かればいいといったようなものです。

教育者を天職にしている限り、現場に出て行こうと思っています。理論のこねくり回しは必要ありません。私は教育者として、学者として、口とペンをもって、世のため人のために援護します。世の中を変えようという立場は、時に苦しいこともあります。過去を変えることはできなくても、今日と明日は変えることができます。もし、昔はよかったなどと考える時間があるならば、今日と明日を変えていけばいいのです。

前へ前へ、頑張りましょう。

 

法政大学大学院政策創造研究科 教授
同経営大学院(MBAコース) 兼担教授
社会起業大学 東京本校 顧問 坂本光司